あなたは、こんなことはありませんか?
足先が冷たくて、ねる時にくつ下を履かないと眠れない。
電車を待っているホームが寒くてふるえる。
月経痛や便秘など、ずっとつづく悩みがある。
冷えるのは体質だから、何をやってもどうせムダ。
そう諦めてはいないでしょうか。
ここでは、中国の伝統医学である東洋医学から見た、体質チェックと冷え対策をお伝えします。
冷え性とは
冷え性(ひえしょう)または、冷え症は、特に手や足の先などの四肢末端あるいは上腕部、大腿部などが温まらず、冷えているような感覚が常に自覚される状態のことである。 しかし、病態として統一的な定義は確立していないため、西洋医学的には漠然とした概念として捉えられている。
Wikipediaより
冷え性は、寒さを感じない程度の温度の場所でも、手足や体が冷たくて、つらく感じる症状のことを言います。
冷えは、万病の元。
放っておくと、病気につながりかねません。
あなたの冷えは、どんな原因からきた冷えでしょうか。
冷え症と冷え性の違いとは
冷え性とは、冷えやすい体質のこと。
検査をしても異常は見られませんが、手足がいつも冷たい。
明らかな原因は、はっきりしていません。
一方、冷え症は、冷えの症状を表し、治療対象となります。
西洋医学では、冷え性は病気ではありませんが、東洋医学的に見ると、解決しなくてはならない問題となります。
冷え性の症状と2つの要因
冷え性の要因は大きく分けて2つあります。
「熱を作り出せない」
「熱は作れるが、巡らせる力が弱い」
(複数タイプあわせもつ方もいらっしゃいます)
1.熱を作り出せない
体で熱がつくり出せないため、体力が少なめの人が多いです。
東洋医学では「気血不足」と言い、その中でも2通りに分けられます。
①「気虚(ききょ)」タイプ
生命活動を支える、「氣のエネルギー」が不足していることが大きな要因。
筋肉量が少ない、胃腸が弱くご飯があまり食べられない、などが多くみられます。
そのため熱をつくる力が弱い、または消耗してしまいがちに。
気虚の状態は、気力がなく生命エネルギーが下がっている状態です。
そのため、体がだるい、元気がなくて疲れやすい、やたら眠い、
風邪をひきやすい、やる気が出ない、などの症状もあります。
このタイプへのアドバイス
・ゆっくりした動きの運動で基礎体力をつける。
・食べすぎないこと。
・気持ちが下がるとよけいエネルギーダウンに。
楽しいこと、リラックスタイムなどで気分転換を心がけましょう。
食事で気をつけたいこと
・肉類、うなぎ、卵、ニンニク、玉ねぎ、カボチャ、山芋、豆類など、スタミナがつくものをとる。
・避けた方がいいのは、揚げ物などの脂質が多いもの。胃もたれしやすくなります。
冷たい飲み物や食べ物も胃腸の負担に。
②「血虚(けっきょ)」タイプ
体の隅々に栄養を巡らせる「血」が不足しているタイプの人。
顔色が悪く、栄養不足や貧血などがみられます。
入浴後にお肌がカサカサになったり、脱毛しやすい、なども。
過度のダイエットも原因の一つ。
目のかすみ、不眠などの原因になることもあります。
このタイプへのアドバイス
・栄養バランスの良い食事を心がける。
・足元を冷やさないようにする。
・夜更かしをしない。
食事で気をつけたいこと
・おすすめは、赤身の肉、レバー、青魚、黒豆、卵、ほうれん草、ブロッコリーなど、貧血いいとされる食材。
・苦手でなければ、ナツメやクコの実などもおすすめ。
・反対に取りすぎに気をつけたい食材は、トマトやきゅうり、レタス、脂肪分や辛味が強いもの。
2.熱は作れるが巡らせる力が弱い
体の熱の量は充分足りているのに、巡りが悪く
体の隅々までいき渡らせられないタイプ。
大きく3種類に分けられます。
①気が滞っている「気滞(きたい)」タイプ
ストレスでイライラや不安を感じやすくなったり
自律神経が不安定になる傾向があります。
ストレスでイライラしたり、不安感、憂うつ感など。
気が一箇所にとどまって停滞すると、その場所に違和感が起こります。
喉の詰まりや、胸の違和感、腹部の張りなどが起こることも。
このタイプへのアドバイス
・香りの良いハーブティーや薬膳茶などでリラックスする時間を取る。
・毎日リセットする時間を作る。
食事で気をつけたいこと
・ストレスが溜まりやくなるので、肝を癒す青菜、山菜、魚介類、イカやしじみ、玄米などがおすすめ。
・冷たい食べ物や飲み物や、刺激の強い香辛料などをとりすぎると、イライラしやすくなることも。
味の濃い食事も滞りやすくなるので、とりすぎない方がいいでしょう。
②血がスムーズに流れない「瘀血(おけつ)」タイプ
血行不良で血が滞っている人。
睡眠不足や便秘、ストレス、食べすぎ、運動不足などにより、流れるべきところに気が流れにくくなっています。
皮膚のトラブルも多くみられます。
このタイプへのアドバイス
血の巡りを良くするために、座りっぱなしで長時間過ごさないようにする。
ストレッチなどで筋肉を伸ばす。
食事で気をつけたいこと
・おすすめ食材は、キノコ類、シソやセロリ、バジルなど香草類。
・玉ねぎ、長ねぎ、ニンニク、生姜、シナモンなど巡りをうながすもの。
・避けた方がいいのは、白砂糖や油脂が多く含まれるパンやデザートなど。
③水が流れない「水滞(すいたい)」タイプ
体内に余分な水分が溜まり、滞って起こる症状です。
排出する力が少ない、腎臓が疲れている、水分代謝が悪く、汗をかきやすい。
頭や体が重だるく、むくみやすくなります。
このタイプへのアドバイス
・水分のとり過ぎ、冷たい飲み物は避ける。
・軽く汗を掻く程度の運動で体内の水分を排出する。
・筋肉が落ちると起こりやすいので、下半身の筋肉を鍛えて、全身の代謝を上げましょう。
食事で気をつけたいこと
・おすすめは、あずき、黒豆などの豆類、そば、キノコ類、カボチャ、ゴボウ、海藻類。
・避けた方がいいのは、冷たいもの全般。脂肪分、刺激の強い食べ物など。
冷えからくる不調を東洋医学で体質チェックのまとめ
五臓を中心に、体の中をめぐっている「気」「血」「水」はバランスが崩れると、陰陽のバランスも崩れ、冷えの原因になることがよくあります。
食事や運動、ストレスの発散などで、日々全体の巡りをよくして、体のエネルギー不足を解消しましょう。
栄養も老廃物も、流れやすい体になるように心がけたいですね。
ご自身の症状に合わせて、体調を整え、日々元気にお過ごしくださいね。
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