早いもので、もう今年も半分過ぎますね。
6月に入り、あちこちの神社で大きな「茅の輪(ちのわ)」を見かけることも多いのではないでしょうか。
毎年6月30日は、「夏越(なごし)の大祓(おおはらえ・おおはらい)」。
一年の前半にたまった厄や穢れをはらう神事です。
今回はこの夏越の大祓について、その由来や穢れをはらう食べもの、開運アクションなどについて、詳しくお伝えしたいと思います。
夏越の大祓って?
夏越の大祓(なごしのおおはらえ)とは、一年の前半に、いつのまにか溜まった邪気や心身の穢れ(けがれ)、知らないうちにおかしていた罪をはらい清める神事です。
大きな茅(かや)でできた茅の輪をくぐってはらう「茅の輪くぐり」が有名ですよね。
茅の輪をくぐることで、よくない気の流れをたち、これから後半の無病息災を願います。
6月30日だけ、茅の輪が出る神社もあれば、最近は5月末から夏まで、置かれる所も。
(新型コロナウイルスの影響により、内容変更、中止などもありますので、最新情報をご確認ください)
「大祓」は半年に一度、6月と12月にあります。
「夏越の大祓(おおはらえ)」という呼び方は、地域によっては、
「夏越神事(なごししんじ)」「水無月祓(みなづきばらい)」などとも。
そして大切な行事である理由がもう一つ。
天候や田畑の豊作、商売繁盛を左右する、水神様をごきげんよくお迎えするために穢れを祓うのです。
開運する食べものは?
夏越に食べるといい開運食は「水無月」という和菓子や白いお豆腐 。
6月30日に食べるお豆腐を「夏越豆腐」とも言います。
どちら涼しげで美味しそうですよね!
また日本古来から邪気払いとして食されてきた小豆やヨモギ。
それらが入った草もちなどもおすすめ。
ヨモギ茶は、デトックス作用で健康にもいいのが嬉しいですね。
(アレルギーがある場合がありますので敏感な方はご注意下さい)
なぜ厄払いが必要なの?
では、なぜ6月30日に厄をはらう必要があるのでしょうか?
この時期はちょうど、心と体に疲れや淀みがたまり、心身の「氣」が枯渇してくる時期なんですね。
昔から、「氣」が足りなくなると、邪気や鬼などの負のエネルギーに負けて病や災いにあってしまうと考えられていたのです。
私たちの生きるエネルギーでもある「氣」。
その元気や運気など、「氣」の流れをせきとめてしまうのが邪気。
いわゆる「いやな気」です
その邪気がたまると、、
- 人間関係や仕事のトラブルが続く
- 理由もなく不安になる
- 事故やケガ、病気などが多い
- 物事がなぜかスムーズに進まない
- うまくいくと安心していたことが覆される
- 人の言葉がやたら気になる
というようなことが、、、。
放っておくと、
「なんだか最近いやなこと続き。ツイてないなあ…」
となってしまうかもしれません。
そうならないためにも、
もしそうなってしまったとしても!
こういった季節の行事で、よくない気を排除し、良い気を取り入れる。
すると、滞っていた流れがスムーズに!開運することができるんですね。
実際、理にかなっていて、6月末はちょうど湿気や暑さで疲れがたまり、心身がバテだすとき。
7月からの本格的な夏を、楽しく元気に過ごすためにも、本来のエネルギーを取り戻しておくことが不可欠です。
昔の人の知恵ってあらためてすごいですよね!
茅の輪くぐりのやり方
夏越の大祓には、「茅の輪くぐり」で祓うほか「人形代(ひとかたしろ)」もあります。
茅の輪くぐりの方法は以下の通り。
① 一礼して、左足で茅の輪をまたぎ、左まわり。
② 次に一礼して、右足で茅の輪をまたぎ右まわり。
③ ①と②を3回くりかえす。
④ 最後に一礼して左足で茅の輪をまたぎ、神前へ。
※作法や回数は神社によって違います。行った神社のお作法に従ってくださいね。
輪をくぐるときには、神拝詞(となえことば)を心の中で唱えるといいとされています。
一般的なものが
「水無月の 夏越しの祓 する人は 千歳の命 のぶというなり」
(みなづきの なごしのはらえ するひとは ちとせのいのち のぶというなり)
【大まかな意味】
「6月に夏越の大祓をした人は、寿命が千年にも延びるって言われてるよ〜」
でも、「覚えるのムリ…」という方には
「祓い給へ 清め給へ 守り給へ 幸はえ給え」
(はらいたまへ きよめたまへ まもりたまへ さちはえたまへ)
と唱えるのもよいと言われています。
地域によっては、2周目の神拝詞(となえことば)は別の言葉だったりも。
「思ふこと みな尽きねとて 麻の葉を 切りに切りても 祓いつるかな」
【大まかな意味】
「思い悩むことが ぜ〜んぶなくなるように祈りながら 麻の葉を切りに切って 大祓しよう」
3周目は、「蘇民将来、蘇民将来」
(そみんしょうらい、そみんしょうらい)
※ちなみに以前、参拝した京都の八坂神社では、「蘇民将来子孫也(そみんしょうらいしそんなり)」
という神拝詞(となえことば)でした。
蘇民将来(そみんしょうらい)とは
「備後風土記」に書かれている蘇民将来の説話から。
茅の輪くぐりの由来ともなった人物名で、護符にもなっています。
【概略】
昔、旅に出たスサノオノミコト(牛頭天王と同体であるとされます)が宿を探していて、ある兄弟に家に泊めてくれ、と頼みました。
裕福だった兄は断りましたが、貧しい蘇民将来は精いっぱいに歓待したそう。
喜んだスサノオノミコトは、蘇民に
「これから悪い病が流行ったら、茅の輪を腰につけなさい。疫病からのがれるでしょう」
と言われたとのこと。
言われた通りにすると、村に疫病が流行り皆が死に絶えてしまったのに、蘇民将来一家だけが無事で元気に過ごせたそうです。
その故事から、「茅の輪」は疫病除け、厄災除けに効果があると伝えられています。
人形代(ひとかたしろ)とは
人形代(ひとかたしろ)は、半紙を人形の形に切って、
体の不調な部分をなでたり、息を吹きかけたりしてけがれを人形にうつしてはらう方法。
身代わりとなった人形代は、神社でお焚き上げをしたり、川や海に流して、厄をはらい清めます。
この人形代は、1300年以上前から朝廷で行われていて、持統天皇の頃からの宮中祭祀だったようです。
それが庶民にも伝わり、現代まで引き継がれたんですね。
おすすめ開運アクション
①水場の徹底的なおそうじ
7月に訪れる豊作、商売繁盛の水神様は、水場のけがれをイヤがります。
②塩風呂、酒風呂に入る
③神社へ参拝
もちろん茅の輪くぐりは最強なのでオススメ。
もし茅の輪を置いていない神社でも、今年前半を無事に過ごせた感謝をお伝えしましょう。
まとめ
いかがでしたか?ちょうど1年の折り返しに行われる「夏越の祓」。
いにしえの時代から日本人は「節目に穢れを祓うこと」をとても大切にしてきたんですね。
最近、あんまりいいことないな、という方は特に、季節の行事は、流れに乗る開運チャンス。
大祓で、疫病退散・無病息災を祈りつつ、半年間の穢れをリセットしたいですね。
ちなみに6月30日でなくても、茅の輪をくぐることで厄は落とせると言われているので、お時間の合う時に夏詣に行かれてはいかがでしょうか。
茅の輪をくぐり、心新たに運気を上げて、残り半分をスタートしていきましょう。
今年後半、ますます皆さんに良いことがたくさんありますように願っています。
コメント