人から何か頼まれた時、断れないことってありませんか?
「相手を傷つけるのでは・・」「悪く思われてしまうかも・・」
そう思って引き受けてしまう、という人もいます。
ここでは、そのような断れない性格の心理と特徴、対処法について、ご紹介いたします。
断れない人の心理
優しくて受け身
断れない人の中には、優しすぎて断ることに罪悪感を感じる人がいます。
「自分が断ったら困るだろうな」と、相手を優先してしまうのです。
自分さえ我慢すれば、全てがスムーズに進むと思うと、無理をして引き受けてしまいがちに。
人の役に立てるのは素晴らしいことですが、我慢する機会が多いと、ストレスになります。
人の評価が気になり、嫌われるのが怖い
断れない人は「断って嫌われてしまったら」「関係が悪くなってしまったら」と不安になる傾向があります。
相手の気持ちが気になり、顔色に過剰反応してしまうことも。
人に頼まれたら引き受けるべき、という価値観がある
困っている人を助けるのは大切ですが、それはご自分の余裕がある範囲で、が基本です。
「頼まれたら引き受けるべき」という考え方が前提だと、どんどん断りにくくなります。
後に「ここまでしてあげたのに」と思ってしまいそうなら、断った方がお互いのためです。
過去の心の傷
以前、断れられたことで、強く傷付いた経験があると、悲しくなる気持ちがよくわかります。
そのため「断ったら、悲しい思いをさせてしまう」という思い込みが強くなります。
そのような経験がある場合は、どう断ってもらえていたら、あの時の自分は納得して傷つかなかったのだろう、と考えてみるのも一つ。
少しずつ、過去の経験を未来に活かせるようにしていきましょう。
断れない人の特徴
人との境界線があいまい
他人が困っていると、自分の問題のように感じてしまう人がいます。
これは他人の問題と自分の問題を混ぜてしまっていること。
自分と相手との境界線があいまいだと、人ごとと思えなくて断れない、と思うことがあります。
自己評価が低い
自己評価が低いと、誰かに必要とされることで、承認欲求を満たそうとします。
役に立てない自分には価値がない、と思うことも。
中には、自分なんかを頼ってくれた、と嬉しくなることもあるかもしれません。
誰かに頼られることは喜ばしいことですが、尽くすことで人間関係を保とうとすると、依存的な関係になる場合があります。
責任感が強く、真面目
責任感がある人は、頼りがいがあり、周りからも頼まれることが多いでしょう。
頑張ればなんとかなる、と思うため、人に甘えることも少ないです。
また立場上、断れない場合や「人に任せるより自分でやった方が早い」と考えて背負い込みすぎるのも特徴のひとつです。
優柔不断で流されやすい
断れない人は、決断力が弱いので「お願い!」と強く言われると、つい引き受けてしまいがちに。
他にも、断り方がわからない、相手の勢いに負けて、などのケースもあります。
計画性がなく、なんとかなるさと安請け合いする
断れない人の中には「なんとなかなるだろう」と楽観視して、引き受けてしまうタイプもいます。
気持ちよく Yesを言いますが、あと先を考えないため、期限がせまって慌てたり、達成できずに周りに迷惑をかけることもあるため、注意したいところです。
断れないデメリット
自分の時間が減る
頼まれたことで用事が増え、自分の時間が減ると、心が疲弊してしまいます。
無理をせず、喜んで引き受けられる範囲で、など、その境目を自分で決めておきましょう。
相手の依存心を増長させることも
なんでもやってあげてしまうと、相手の自立心の芽を摘んでしまうことがあります。
助け合うことはもちろん必要ですが、簡単に引き受けてもらうことに慣れると、自分でチャレンジすることをしなくなります。
手を貸してあげることが、相手の可能性を減らしていることもあるのです。
断れる人になる3つの方法
断ったくらいで壊れる人間関係なら必要ないと割り切る
頼まれごとと、人格は全く無関係のものです。
あなたが断ったからといって離れていくなら、その程度の関係だったということ。
必要のない人間関係は手放す、その空間を離れる、などをできる範囲で心がけるのもおすすめです。
自分の気持ちを大切にする
理由がなく断ってはいけないと考えると、なんでも引き受けることになります。
「やりたくない」それも立派な理由です。
自分の気持ちで、断ってもいいと許可を出すことで、気持ちを楽にしていきましょう。
気持ちが伝わる断り方をしよう
歩み寄った妥協案を提案する
断ることが大切、とは言っても「無理です」「できません」の一言では、関係は悪化してしまうかもしれません。
なので、断る時には、次の流れを意識してみてください。
①謝罪(感謝)→②理由・断り→③代替案・妥協案→④気遣い
例えば、残業を頼まれたとき。
「すいません。 (①謝罪・感謝)
お手伝いしたいのは山々なんですが、今日は先約があって、帰らなくてはいけないんです。(②理由・断り)
明日の朝なら可能なんですが、いかがでしょうか。 (③代替案・妥協案)」
相手が了承したら、
「お声かけくださってありがとうございます。 (④気遣い)」
という言い方であれば、失礼になることは少ないです。
誘われた時などは、
「お誘いありがとうございます。せっかくですが、」など、感謝の言葉を付け加えることで、相手の気持ちを尊重できます。
ただ、プライベートなお誘いなどで、もう声をかけられたくない時は、
「また今度、機会があった時に。」くらいが無難かもしれません。
自分の意思を伝える
断る時に、自分の意思を含めると、伝わりやすくなります。
理由があり、自分はこうしたいから無理です。という言い方です。
例えば、
「来週の資格試験のために勉強したいので、残念ですが行けません。」
「体調がイマイチで、ゆっくり休みたいので難しいです。」
など。
自分なりに伝えやすい言葉を、チョイスしておくといいですね。
楽に断れるようになる考え方
断ることは、自分を守ること
気が進むないことを引き受けてしまうと、相手はこちらの気持ちに気付いていないので、同じような依頼や誘いをしてきます。
すると前回は引き受けたから、今回もまあ仕方ないか、とずるずる断れなくなるパターンに。
本当は自分はどうしたいのか、確認しておくといいでしょう。
断ることは、相手の全人格を否定するものではない
相手の頼み事を断る=相手を拒否すること、と解釈してしまうことがあります。
断ることは、単純に、そのことがらが「できない」「やりたくない」だけであって、全人格を否定しているわけではありません。
はっきりと区別しておきましょう。
お互いの断る権利を大切に
断るのは、わがままではありません。
断ることは自分の権利。そして相手が断るのも相手の権利。
自分が喜んで引き受けられないなら、「断ってもいい」と自分に許可を出すこと。
相手にきちんと説明して、理解してもらえる努力をしましょう。
あくまで、無理せず、我慢せず、を大切にしたいですね。
断ることが相手の成長につながることも
人は、追い詰められ自分で解決しようと必死になって乗り越え、成長することもあります。
新たな力を発見し、その経験が大きな自信につながることも。
断られることが必ずしも「悪いこと」とは限りません。
強い意思をもつ
我慢して引き受けて、後からストレスになってしまうと、人間関係のゆがみの元になります。
今の自分の状況と気持ちに正直に、返事をしていきたいですね。
勇気を出して断ってみたら、有意義な時間も増えますし、気持ちもスッキリしますよ!
心を込めて、明確に伝えてみてくださいね!
心地いい人間関係を保つためにも、引き受けるのは余裕のある範囲で、とその境目を決めておくといいですね。
- 断れない人は、つい頼みごとをされると引き受けてしまい、自分を犠牲にしてしまいがち。
- その心理と特徴は、優しい、責任感が強い、自己評価が低い、境界線が曖昧、など。
- 自分の問題と相手の問題は区別する。断ることは、人格を否定することとは違う。
- 断っても嫌われない。誠意をもってきちんと断れる人は、かえって信頼される。
- 明確な理由がなく断ってもいい。自分には断る権利がある、と理解する。
いかがでしょうか。
生活の中で、断りにくい、と思うことはよくあるかもしれません。
私も以前とても断ることが苦手でした。
無理をして、頼まれた仕事を引き受けた結果、期日に間に合わず周りに迷惑をかけた経験もあります。
その時に実感したのが、
一番重要なのは、自分の気持ちを最優先にし、ムリや我慢をしないこと。
気が乗らない時に引き受けても、気疲れするだけですし、生産的なものが生まれる可能性は少ないです。
できるところから、自分の気持ちを見極める、伝えていくことをしていきましょう。
そうすることで、人間関係の余計な悩みは減っていきます。
自分も周りも大事にしながら、自分の時間を、有意義に楽しく過ごしていきたいですね。
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