最近、コロナや季節の変わり目でもあるせいか、気持ちが落ちやすい。
やる気が起きない、体がだるい、やたら眠い。
そんな方が多いようです。
大きな原因が思い当たらないけれど、慢性的な不調が続く、、、
そんな時は、ホルモンバランスの乱れからの不調が起きているかもしれません。
ここでは、元気を取り戻すために、ホルモン分泌を整える対処法をお伝えします。
不安を減らすにはホルモンバランスがカギ?
私たちの心は、なぜイライラしたり、モヤモヤしたりするのでしょうか?
ネガティブとかうつっぽい、私は暗いから…
など、性格のせいにすることもあるかもしれません。
でも、心の状態は、神経伝達物質やホルモンの分泌が大きく影響します。
「幸せホルモンと呼ばれるセロトニン」など、聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。
心と関係する神経伝達物質は、たくさんありますが、今回は以下の代表的なホルモンの主な作用と増やす方法をお伝えします。
- ドーパミン
- セロトニン
- オキシトシン
- コルチゾール
- ノルアドレナリン
1.やる気を出すもと、ドーパミン
ドーパミンは、脳のやる気を出す、意欲を上げる、行動の原動力になる脳内物質。
ご褒美を得られた時、ご褒美を期待している時にも分泌されます。
必要な情報を記憶、処理する「ワーキングメモリー」になり、達成感、快感、感動にもつながり、極端に不足すると無気力、無感動、無関心など、自分の意思で前進できなくなります。
ドーパミンを増やすには
とりあえず立ち上がってみる
よく片付けや仕事などでも、まず簡単なことから始めると、だんだん気分がのってくる、という経験はありませんか?
ドーパンミンを分泌する脳の側坐核(そくざかく)は、動いている時に活発化します。
そのため、寝転がったまま、よりも何か一つでも簡単なことから行動する、ということが大切。
動くことでドーパミンが分泌されやすくなるのです。
生成に必要な栄養素をとる
タンパク質をしっかりとる。チーズやヨーグルト、卵、大豆、牛肉、豚肉、貝類、アボカド、バナナ、アーモンドなど。
脳の疲労がある時には、疲労回復にいい食材、貝や海苔、レバーなどをバランス良く。
好きな音楽を聴きながら作業する
2009年、カナダのマギル大学の研究チームが「音楽はドーパミンを活性化させる効果がある」という内容の論文を発表しました。
被験者の状態を調べると、好きな音楽を聴いてワクワクしている時に、被験者の身体活動が活発化し、脳内からドーパミンが分泌されることが、判明したそうです。
音楽を聴くことで、「ランナーズ・ハイ」に似た、一種の興奮状態になることもあるとのこと。
好きな音楽を聴きながらの作業がはかどるのは、気のせいではないんですね。
瞑想をする
瞑想はドーパミンを放出する効果があるという研究結果が発表されています。
瞑想中の脳は、ガンマ波と言われる認知活動に関連する脳波の量が増加して、ドーパミンも増えていきます。
呼吸を深くくりかえすことで、鎮静剤に似た効果をもたらすとのこと。
2.幸せホルモン、セロトニン
ストレスに対して自律神経を整え、心を安定させるのに役立つ、別名「幸せホルモン」とも言われるセロトニン。
睡眠、食欲のコントロール、血圧にも関連し、睡眠をうながす「メラトニン」の原料にも。
セロトニン不足になると、慢性的な疲労感、イライラ、意欲低下、協調性の欠如、うつ症状、不眠などの症状が現れます。
精神的なものの他に、自律神経の乱れや肩こり、頭痛など肉体的な症状が現れることもあります。
セロトニンの分泌を高めるには
リズミカルな運動(呼吸・噛む・ウォーキング)
一定のリズムの呼吸やリズム運動をすると、セロトニンが増えることがわかっています。
単調な有酸素運動など。
また、よく噛むことも、リズム運動のひとつ。
生成を促す食材
セロトニンの材料は、タンパク質に多く含まれるトリプトファンという必須アミノ酸。
肉、赤身の魚(マグロ、カツオ)、大豆製品(豆腐、納豆ほか)、乳製品、穀類、ごま、ピーナッツ、卵、バナナなど。
日光を浴びる
日光を浴びると、目から脳に信号がいき、セロトニン合成が活発に。
起床直後から30分以内に浴びると、体内の生活リズムを整えることにもつながります。
一日15分〜30分浴びると良いです。
3.愛情ホルモン、オキシトシン
オキシトシンは、不安感や恐怖心を抑え、心を落ち着かせる効果があります。
安らぎが感じられるホルモン。
親しい相手と触れ合ったり、可愛い動物を可愛がる時など、「幸福感」をもたらします。
もともと出産や育児の時に分泌されることで知られていましたが、そのほか、ストレス軽減、免疫機能アップ、記憶力向上なども促すことが、近年の研究でわかってきました。
オキシトシンを増やすには
スキンシップ
タッチやハグなど、人と人の親密なコミュニケーションの際に、温かく優しい気持ちになるのはドーパミンの影響と考えられます。
パートナーや親子のふれあいなど、心を許した愛情を感じる相手とは、特に高い効果が期待できます。
人にやさしくする
オキシトシンは「思いやりホルモン」とも呼ばれるくらい、誰かを思いやる、助けることでも分泌されます。
4.ストレスホルモン、コルチゾール
体の外から、なんらかの刺激(ストレッサー)があると、分泌されるのがコルチゾール。
副腎から放出されるステロイドホルモンで、糖代謝、抗炎症、免疫抑制などの大切な役割を担い、その炎症を抑える働きで、アトピーなどの抗炎症剤として使われています。
以前、著者が膠原病になった時に服用していたのも、このステロイド。
ストレスを受けた時に、脳からの刺激で全身を調整するため、「ストレスホルモン」とも呼ばれます。
コルチゾールは、過剰なストレスを受け続けて、分泌過多が慢性的になると、そこから、うつ病や不眠症などの精神疾患などの原因の一つになる、という研究結果も出てきています。
コルチゾールのバランス整えるには
コルチゾールの分泌を促すのは、バランスの良い和食が一番ですが、特にみそや納豆などの発酵食品。
海藻、魚、キノコ類。ビタミンC、ビタミンB群、亜鉛、マグネシウムなども。
とり過ぎに気をつけたいのは、白砂糖、乳製品、コーヒーなどのカフェイン、加工食品など。
5.ノルアドレナリン
ストレスに打ち勝とうとする神経伝達物質です。
ノルアドレナリンが放出されるのは、自律神経系の交感神経。
激しい運動やストレスを感じた時に、交感神経の活発化をうながし、体を活性化、適度に分泌されると、意欲や向上心を刺激して、想像力豊かに行動するモチベーションを上げてくれます。
ストレスが続き、分泌過剰になると、不眠や攻撃性が現れたり、ヒステリーやパニックを引き起こすことも。
分泌バランスが乱れる原因
- ①ストレスや体の炎症から起こる、ホルモンバランスの乱れ
- ②加齢や不摂生からの「栄養不足」
- ③自然・季節の影響
ホルモン分泌のバランスを整える食品
①抗酸化作用のある油
「オメガ3脂肪酸」あまに油やごま油
「中鎖脂肪酸」MCTオイル、ココナッツオイルなど
②抗炎症、デトックス効果のあるもの
ハーブ、スパイス、香味野菜
シナモンやショウガ、シソ、ターメリック(ウコン)など
ポリフェノールが入っているもの、緑黄色野菜の葉物など
③腸内環境を整えるもの
プロバイオティクス(善玉菌を増やす)
納豆やキムチ、ぬか漬けや甘酒、ヨーグルトなどの発酵食品
プレバイオティクス(善玉菌のエサになるものをとる)
「オリゴ糖」「食物繊維」など
玄米、あわ、麦などの穀類、イモ類、大豆製品、キノコ類、海藻類、りんご、バナナなどのフルーツ
まとめ
本来、人は「栄養」「睡眠」「精神的な安定」がそろっていれば、健康で穏やかな状態を保ちやすいもの。
でも、日々暮らす中で、ストレスは避けられません。
ストレスは、ホルモン分泌のバランスにも大きな影響を与えますから、できるだけその日のうちに発散して、翌日に残さないようにしたいですね。
必要な栄養をバランスよくとって、心も体も心地よく、元気に毎日を過ごしましょう。
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